仲介手数料

賃貸物件の仲介手数料には消費税がかかる|課税の理由や消費税がかからない費用について徹底解説

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物件契約時に必要な初期費用項目の中のひとつである「仲介手数料」ですが、消費税がかかることはご存じでしたか?

結論として、2021年時点で仲介手数料には10%の消費税が課税されます。

日本には「消費税法」と呼ばれる消費税に関する法律が存在し、仲介手数料は課税項目に該当するためです。

今回は仲介手数料の消費税とその理由、そして賃貸契約の際の初期費用項目で非課税となる費用について詳しく解説をしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸契約に係る消費税について気になるという方は、この記事を読めば疑問が解決できるでしょう。

※なお、物件契約の初期費用が気になる方は不動産賃貸サービス「RAGY(レイジー)」がおすすめです。

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賃貸物件の仲介手数料は課税対象

物件契約時の初期費用には、敷金礼金や火災保険料などさまざまな項目が存在しており、課税対象となるものと、そうでないものがあります。

結論として、仲介手数料は課税対象です。

課税対象については「消費税法」の中で以下のように定められています。

消費税法第4条の要約

  • 事業者が事業として行う取引
  • 対価を得て行う取引
  • 国内において行われる取引
  • 資産の譲渡、貸付、役務の提供

仲介手数料は上記の内容に当てはまるため、課税対象となっているのです。

それでは課税となる理由や消費税率などについて詳しく見ていきましょう。

仲介手数料に消費税がかかる理由

仲介手数料に消費税がかかる理由は、消費税法にもとづいて「事業者(不動産会社)が事業として行う取引」であり、「対価」に当てはまるためです。

「国内において行われる取引」にも当てはまります。 

もちろん仲介手数料が0円となれば消費税は発生しません。

仲介手数料にかかる消費税は何%?

消費税は2019年10月に8%から10%へと引き上げられました。よって、2021年時点では仲介手数料にかかる消費税は「10%」です。

仲介手数料には上限が定められているため、一般的には家賃の0.5か月~1か月分が目安となります。

たとえば家賃が5万円で仲介手数料が1か月分だった場合、消費税を含めた仲介手数料の金額は5万5000円です。

そのほかに敷金礼金などの項目が上乗せされるため、金額に負担を感じる方は多いかもしれません。

不動産売買の仲介手数料も課税対象となる

不動産売買の仲介手数料に関しても課税の対象となります。消費税率は賃貸物件と変わらず「10%」です。

消費税は賃貸物件と変わりありません。しかし不動産売買での「仲介手数料」は計算方法が少し特殊となっています。

以下の記事では家賃別に仲介手数料をシミュレーションしているほか、不動産売買に必要な仲介手数料の計算方法についても解説しています。

気になる方はあわせてご覧になってみてください。

参考

賃貸の仲介手数料の相場・平均はいくら?目安となる計算方法や値引き交渉について賃貸のプロが徹底解説!ATTO!|不動産情報メディア

賃貸物件で消費税がかからない費用項目

仲介手数料は課税対象だということがわかりました。

賃貸物件の中で消費税がかからない項目についても確認しておきましょう。

消費税法にもとづくと、主に以下のような項目が非課税となります。

  • 家賃
  • 店舗もしくは事務所と住宅が併設されている物件
  • 敷金、礼金
  • 保証金
  • 駐車場付きの賃貸物件
  • 土地代火災保険料

課税、非課税は「事業用」か「居住用」かで判断が可能です。

しかし一見すると、判断のしにくい項目もありますので、それを踏まえて解説をしていきます。

家賃

普段生活する物件は居住のための物件なので非課税です。

マンスリーマンションのように1か月以上の契約で、居住のための貸付とされる場合にも非課税となります。

しかし、1か月未満の契約やウィークリーマンションは旅館業とみなされ、課税対象となります。

仕事に利用するために借りた事務所なども「事業用」に当てはまるため、課税対象です。

住宅と店舗もしくは事務所と併設の場合

事業のための事務所と、生活のための居住スペースが一緒になっている物件がありますよね。その場合には居住スペース部分のみが非課税です。

事務所スペースは課税対象となり、一般的には面積比によって課税の金額が変動します。

また、居住用として契約した物件を、不動産会社へ断りなく事業用として利用した場合は契約違反に該当しますので注意しましょう。

敷金・礼金

居住用物件の敷金、礼金は原則として非課税となります。

敷金は原状回復などに備えて預けるお金であり、対価とはみなしません。しかし償却にあてられる場合は、償却に利用した金額分が課税対象です。

貸主に対するお礼として支払う礼金ですが、居住用物件に対する礼金の場合は課税の対象とはなりません。

事業用物件の場合には、敷金・礼金共に消費税が発生します。

なお、 敷金礼金なしのゼロゼロ物件については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

参考

ゼロゼロ物件(敷金礼金なし物件)の初期費用・退去費用は?|注意点からメリット・デメリットまで徹底解説ATTO!|不動産情報メディア

保証金

保証金とは、敷金と同じような意味合いを持っており、一般的には退去時に返却される費用となるため非課税です。

しかし敷金と同じく、償却によって保証金があてられる場合には、償却分の金額に対して課税されます。

なお、以下の記事では賃貸の初期費用についてどのような目的で支払うのかを解説しています。

保証金についても触れていますので、気になる方はご覧になってみてくださいね。

【賃貸 初期費用】

駐車場付きの賃貸物件

消費税法によると、駐車場として区画されているなどの整備がなされている場合は課税の対象とされています。

よって、家賃に駐車場代が含まれている場合は非課税、それ以外の駐車場は消費税法の課税項目にもとづいて課税となります。

土地代

物件ではなく、土地の貸付や譲渡には消費税はかかりません。

しかし家賃と同じく、1か月未満の契約である場合は課税対象とされます。

その土地に、課税対象である駐車場が設置されていたり、事業などの施設の利用に伴う場合も課税対象です。

火災保険料

火災保険料は事業への対価として支払うものではないため、非課税です。

消費税法にある「非課税項目」の中で、保険料は非課税であると明記されています。

借主の資産を守るためのものであり、事業者の利益としてみなされる内容ではないという見解なのでしょう。

一般的には不動産会社の紹介によって火災保険に加入しますが、自分で火災保険を選んで加入することも可能です。

保険会社など、サービスとして保険を提供している場合には「保険手数料」がかかることがあります。

保険手数料は「事業への対価」に当てはまるため、手数料のみ課税対象です。

物件を利用する目的によって課税・非課税が分けられる

このように、賃貸契約の際に必要となる項目については、主に物件を利用する目的によって課税、非課税で分けられています。

「事業」で利用するのか「居住用」で利用するのかという部分をポイントとして抑えておくとよいでしょう。

また、事業用でなくても駐車場代と家賃が別となっている場合には「駐車場代のみ」が課税されるといった項目もあります。

こんなタイミングに注意|増税時の経過措置

頻繁に発生するようなことではありませんが、消費税の増税は今後も行われる可能性があります。

もしも増税と賃貸契約のタイミングが重なった場合、仲介手数料の消費税はどうなるのでしょうか。

過去には増税に伴い、仲介に係る消費税に対して特別な措置が適用されたケースがあります。

ここでは、増税時の仲介手数料について詳しく掘り下げていますので、参考にしてみてくださいね。

仲介手数料は増税の影響を大きく受ける

冒頭でも触れていますが、消費税は2019年10月に8%から10%へと引き上げられています。

例として家賃が8万円で仲介手数料が家賃1か月分の場合、消費税抜きの仲介手数料は8万円、消費税を含めると8万8000円です。

家賃が高くなれば仲介手数料や消費税も高くなります。仲介手数料の額によっては消費税だけで1万円を超えるケースもあるのです。

増税のタイミングによっては、特別な措置の適用で契約時のトラブルも起こり得るため、経過措置については覚えておくとよいでしょう。

経過措置とは?

経過措置とは、増税をまたぐ取引について消費税率をスムーズに移行させるために政府が定めた対応です。

不動産取引だけでなく、光熱費や電車などそのほかの課税項目でも経過措置が適用されたケースは多数あります。

不動産取引における経過措置の具体的な内容の例としては、増税前に引き渡された物件は増税前の税率を適用し、増税後に引き渡された物件は増税後の税率を適用するといったものです。

経過措置を実施した事例

直近では2019年10月1日に行われた増税に伴って、以下のような経過措置が適用されました。

  • 2019年4月1日までに契約された物件について

増税の施行までに物件が引き渡された場合は増税前の消費税を適用。同じく4月1日までに契約の変更が行われた物件についても増税前の消費税が適用されます。

4月1日までに契約し、4月1日以降に契約の変更が行われた場合は、増税後の引き渡しであっても4月1日までに契約された部分については増税前の税率のままです。

4月1日以降に変更のあった部分は増税後の税率が適用されます。

  • 2019年4月1日以降、9月30日までに契約された物件について

増税前に引き渡された物件は増税前の税率を適用し、増税後に引き渡された場合は増税後の税率が適用されました。

このようにさまざまなケースにも対応できるよう、経過措置の細かな取り決めが行われていたのです。

経過措置の内容を知らなければ、混乱してしまいそうですよね。

もしもこの先同じように増税と物件契約のタイミングが重なった場合には、自身で経過措置の内容を把握しておくほか、不明なところは不動産会社へ確認するとよいでしょう。

仲介手数料は課税対象|2021年時点では消費税10%が適用される

今回は仲介手数料の消費税や、物件契約に係る消費税について詳しく解説しました。

まとめると以下のような内容になります。

  • 仲介手数料の消費税は2021年時点で10%
  • 物件売買の仲介手数料も課税される
  • 物件契約時の初期費用は「事業用」と「居住用」の目的によって課税対象が決まる
  • 増税と契約のタイミングが重なった場合は「経過措置」に注意

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